注射器
慢性腎不全と薬
慢性腎不全って猫にはよくある病気、特に老猫には多いので、この病気にかかってしまうネコちゃんの飼い主さんたちの為になれば・・・と思います。
  1. 腎不全は、腎臓の働きが不完全という意味。(腎臓は血液をろ過して尿を作り、老廃物を外に出す役目がある。)
  2. 腎臓は2つあるが、その一部が破壊されても支障なく機能するしくみとなっているので、腎不全に気づかないことが多い。
  3. 3/4が機能しなくなって、はじめて飼い主が気づくような症状が現れる。そのため早期治療が難しくなっている。
  4. 慢性に対し、急性もあるが、症状は急速に進行して危険度が高い。
以下に上げる症状が出るようなら、獣医師に見てもらいましょう。
一度機能しなくなった腎臓は直りませんが、残りの部分がそれ以上悪くならないよう現状維持させます。延命治療は可能なので、あきらめないでください。
兆 候 治 療
  • 水をすごく飲む
  • おしっこを頻繁に多量にする
  • おしっこの色が薄く、匂いもしない
  • 毛艶が悪い
  • 痩せる
  • 血液検査をする
  • 水を切らさないこと
  • 獣医師の指示のもと、腎臓病用の療法食を与える (蛋白質等の少ない食事)
みゃあの場合
  • みゃあは痩せてはいなかった。
  • 発見が早かったため、とりあえずは食事療法で、薬は飲まなかった。
  • 腎臓病用の食事は、処方箋がないと買えなかった。缶詰2種類とカリカリがあったが、缶詰は見向きもしなかった。カリカリも味の濃いカ○○ンを好んでいたので、なかなか切り替えられなかった。
症状が進むと・・・ 治 療
  • 食欲低下(腎臓が血液中の老廃物をろ過できなくなる。
  • 水ばかり飲んで顔がむくむ
  • 嘔吐
  • 皮下点滴・静脈点滴
  • 薬物治療(主に老廃物を便に吸着させて、外に出す)
  • 好きなものを食べさせる
みゃあの場合
  • 最初は皮下点滴を月に2回。
  • 症状が進んで来たので、月5日の通院静脈点滴&皮下点滴を月1〜2回。
  • カプセルと粉の薬(腎臓用)、茶色の液体(貧血用)、抗生剤(蓄膿症用)を飲んでいた。
  • マグロや鳥のササミなど、好きな物を食べさせた。箸でつまむと食べることが多かった。ウニや魚の干物も好きだった。かつおぶし、牛乳など、日によって食べたり食べなかったりした。
  • 朝方や夜中に吐くことが多かった。水を飲みすぎたような感じ。
末期症状 治 療
  • 食欲不振
  • じっとして動かなくなる
  • 嘔吐
  • 貧血
  • 尿毒症
  • 発作(癲癇)
  • 皮下点滴・静脈点滴(あまり効果がなくなる)
  • 薬物治療(主に老廃物を便に吸着させて、外に出す)
  • 薬物治療(発作予防・食欲刺激)
  • 好きなものを食べさせる
みゃあの場合
  • 皮下点滴や静脈点滴を月に数回。血液検査の結果で組み合わせた。
  • 血液検査の結果が悪く、一度5日入院させ、24時間点滴したが、効果がなかった。逆にご飯を食べなくなってしまった。
  • 蓄膿症が進んで喉に炎症を起こし、食べなかった。別の抗生剤を投与。(飼い主がよく観察して、症状を医師に伝えると、いい結果が出る。)
  • カプセルと粉の薬(腎臓用)、茶色の液体(貧血用)、抗生剤(蓄膿症用/のど)、粉(蓄膿症用)、発作止め、胃酸を押さえる錠剤を飲んでいた。(カプセルを分解して中入れ込み、粉は液体に溶かして、なるべく一度に飲めるようにした。)
  • 予防で発作止めの小片を飲ませていたため、癲癇の発作は起きなかった。(起きた場合、座薬又は注射になる。)
  • 歯も歯肉炎を起こして固いものが食べられなかったので、流動食の缶詰をスプーンで与えた。また、缶詰のゼリー部分やお気に入りのカリカリ(ブレ○○キー○の食べきりサイズ)を少々。
  • 頻繁に吐くようになった。黄色い胃液のこともあった。(胃酸止めを朝夕にした。)最後は泡を吐くときもあった。
  • 体力が落ちて体温調節が効かなくなるので、快適(夏なら人が涼しいと思う温度では、寒すぎる)な室温にした。
  • 貧血が進むとだるそうにして動かなくなり、呼吸も荒くなるので、ホルモン注射をして増血をしていた。

だんだん他の病気を併発して、薬も効かなくなってくるので、「何が今必要か」を観察するといいと思います。みゃあは蓄膿症からくる喉の痛み及び歯槽膿漏からくる歯の痛みでご飯をたべない時がありました。その時、慢性腎不全のせいではない、とわかったのは、観察していたからです。飲み込む時に、戻しそうになったり、頭をかしげて、歯が痛そうな時があったのです。

薬もずっと飲むと効かなくなります。最後にみゃあが飲んでいた薬は
飲ませるのも一苦労だったので、たまには飲ませなかったり、へらしたり、ちょっと自分で工夫していました。薬って、みゃあが嫌がったのはもちろん、私も毎日がとても苦痛でした。